心から、が欲しい。
心から好きな、人、本、音楽。心を余すところなく支配してくれるモノが。
私の心は、複雑怪奇になってしまった。
あるものは、確かに好きだ、でも…
それは所詮心の片隅にておぼろげに揺らめいているだけ。
人だってそうだ。
もう狂おしいくらいに、自分が分からなくなるくらい、誰かを愛してみたい。
それが叶わぬものであっても、その時は、悲しみが僕を支配してくれるだろう。
今の私には、悲しみすら芝居じみて、意識にひょいと現われては、演技するだけ。
それを見る、恐ろしいほどに冷徹な私の瞳。瞳は計算する。
こうすれば、ああすれば…たえずこんな計算で埋まっているのだ。
疲れてしまった。この疲労感だけは、僕を冷めさせない。
それを心地よく思うべきなのか。余裕だな。